海外大手の暗号資産取引所「Bybit(バイビット)」が、日本における新規ユーザー登録の受付を2025年10月31日21:00(日本時間)から一時停止すると発表しました。背景には日本の金融庁(FSA)による規制整備への適合があります。この記事では、停止の日時と範囲、既存ユーザーへの影響、想定される今後のシナリオ、リスク管理と代替策、よくある質問までを初心者向けにやさしく解説します。まずは「何が起きたのか」を短く把握し、必要な対処を落ち着いて進めていきましょう。
何が起きた?──発表内容と停止のスケジュール
Bybitは日本の規制に沿うため、日本居住者・日本国籍のユーザーからの新規アカウント登録を一時停止すると公表しました。開始は2025年10月31日(金)21:00(JST)。この対応は「投資家保護と規制遵守を最優先するため」の措置と説明されています(参考:Bybit公式アナウンス、CoinPost)。
対象範囲
- 停止対象:日本居住者・日本国籍ユーザーの新規登録
- 開始時刻:2025年10月31日 21:00(日本時間)
- 期間:「一時停止」。再開時期は現時点で未定
既存ユーザーはどうなる?
現時点では既存ユーザーの利用は継続可能と案内されています。ただし、今後の規制動向や同社方針によって変更される可能性もゼロではありません。
なぜ止まるの?──背景にある日本の規制整備
今回の停止は、日本の金融庁(FSA)が進めるデジタル資産の新たな規制枠組みへの適合を図る、いわば「移行期間」とみられます。Bybitは「現地規制を積極的に順守する取り組みの一環」と説明しており、投資家保護とコンプライアンスを優先する姿勢を明確にしています。
これまでの日本での経緯
報道によれば、Bybitは過去に日本の当局から無登録での暗号資産交換業に関する警告を受けてきた経緯があり、今回の措置はその延長線上で正式な枠組みへの適合を進めるものと考えられます。
初心者向けまとめ:いま取るべき行動チェックリスト
既存ユーザーであれば、現時点で慌てる必要はありません。ただし将来の変更に備え、以下を確認しておくと安心です。
① アカウントと資産の棚卸し
- ログインできるか、二段階認証(2FA)が有効かを確認
- 保有通貨の内訳、入出金履歴、注文件数などの基本データをエクスポート
- 必要に応じて取引履歴を税務用にバックアップ(CSV保存)
② 出金経路とウォレットの準備
- セルフカストディ(自分のウォレット)を用意し、少額で出金テスト
- ネットワーク手数料と着金所要時間を把握しておく
- 国内の登録済み交換業者口座を併用し、法定通貨(JPY)への退避経路も確保
③ リスク分散(取引所集中リスクの低減)
- 「取引所=長期保管場所」ではない、が原則
- 長期保有分はハードウェアウォレット等へ分散
- 短期取引用の資金のみを取引所に置く運用ルールを作る
今後のシナリオ:何があり得る?
「一時停止」は、規制に沿ったサービス再設計や申請・協議の期間である可能性があります。想定シナリオは次の通りです。
シナリオA:新規受付の段階的再開
- 日本向けに仕様や上場方針、レバレッジ制限、開示体制などを調整
- KYC(本人確認)・AML(マネロン対策)の強化を前提に再開
シナリオB:長期停止または日本向け機能の制限
- 先物・レバレッジなど一部サービスの制約
- 上場銘柄やステーキング商品の見直し
シナリオC:日本事業の構造見直し
- パートナー連携やライセンススキームの再構築
- ローカライズ強化とコンプライアンスコストのバランス調整
いずれのシナリオでも、公式発表と信頼できるメディアの続報をチェックしましょう
初心者が誤解しがちなポイントQ&A
Q1:既存ユーザーはすぐに使えなくなる?
現時点では「当面継続可能」と案内されています。ただし将来変更の可能性はあるため、2FAの確認・バックアップ、出金経路の確保など最低限の備えをおすすめします。
Q2:資産は今すぐ全部出金すべき?
一律に出金を勧めるものではありません。リスク分散の観点から、少額テスト出金→出金経路の確認→必要分のみ移動の順で落ち着いて対応しましょう。
Q3:日本人はもうBybitを使えないの?
今回の対象は新規登録の一時停止です。既存ユーザーの利用は継続可能とされています。今後の規制・方針次第で変わる可能性はあるため、公式の発表をフォローしましょう。
Q4:なぜ日本は厳しいの?
日本は投資家保護と透明性を重視し、上場審査・カストディ・レバレッジ・AMLなどのルールを段階的に整備してきました。これは投資家にとって安全性向上のメリットがある一方、海外取引所にはコスト増となる側面もあります。
リスク管理の実践:3つの基本
1. セルフカストディ(自己管理)を学ぶ
取引所は便利ですが、ハッキング・規制変更・出金遅延などのプラットフォームリスクを伴います。長期保有分はセルフカストディで管理し、秘密鍵・リカバリーフレーズの保護を徹底しましょう。
2. 取引所の役割を限定する
短期売買・上場直後の流動性確保など、必要な用途に限定。資金の置きっぱなしを避ける運用ルールを明文化するのがコツです。
3. 情報ソースの信頼性を見極める
公式アナウンスと主要メディアの両方を参照し、SNSの未確認情報で慌てないこと。
ステップバイステップ:準備の手順(初心者向け)
Step 1:セキュリティの見直し
- 二段階認証(アプリ認証)/バックアップコードの保管
- フィッシング対策(公式URLのブックマーク、メール差出人の確認)
Step 2:少額テスト出金
- セルフカストディまたは国内登録済み交換業者へ少額送金
- ネットワーク選択ミス防止(宛先チェーンを必ず一致させる)
Step 3:長期・短期の口座分離
- 長期保有はウォレット、短期売買は取引所に最小限
- 税務の観点で履歴を一元管理(CSV保管、記帳ツール併用)
メディアでの報じられ方(ピックアップ)
- 公式:Bybitアナウンス(日本語)
- 国内メディア:CoinPost
- 海外メディア:Yahoo Finance/Cointelegraph経由記事
- 解説・周辺情報:New Economy
まとめ:慌てず、公式と基礎に立ち返る
Bybitの日本における新規登録一時停止は、規制準拠を進めるための過渡期対応です。既存ユーザーは当面利用継続が案内されていますが、2FAやデータ保全、出金テスト、分散保管といった基本対応を今のうちに進めておくと安心です。最新情報は公式アナウンスと主要メディアで確認しつつ、資産管理の基礎を固めましょう。
参考リンク
- Bybit公式発表(日本語):日本での新規ユーザー登録の受付停止について
- CoinPost:海外大手Bybit、日本人の新規登録停止へ
- Yahoo Finance:Bybit to Halt New User Registrations in Japan
- New Economy:バイビット 新規登録を停止へ(既存ユーザーは当面影響なし)


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