BTC/ETHデルタニュートラル戦略とは?初心者でもわかる安定運用の仕組み

ビットコイン 用語

暗号資産市場は値動きが激しく、上昇相場では利益を狙いやすい一方で、下落局面では大きな損失を抱えるリスクがあります。そんな中で注目されているのが、価格変動の影響を最小限に抑えつつ安定した収益を狙う「デルタニュートラル戦略」です。特にBTC(ビットコイン)とETH(イーサリアム)を組み合わせた戦略は、初心者にも取り組みやすい手法として人気を集めています。

デルタニュートラル戦略とは?

デルタの意味を理解しよう

「デルタ」とは、資産価格が動いたときにポジションの価値がどの程度変化するかを示す指標です。たとえば、ビットコインが1%上がったときにポジションも1%上がるならデルタ=1、逆に全く影響を受けないならデルタ=0となります。

デルタニュートラル=価格変動リスクをゼロにする

「デルタニュートラル」とは、このデルタをゼロ(中立)にすることを目的とした戦略です。価格の上昇・下落どちらにも左右されにくく、主にファンディングレートや裁定(アービトラージ)によって安定した利益を得ることを狙います。

BTC/ETHデルタニュートラル戦略の基本構造
① 現物ロング+先物ショートの組み合わせ

最も基本的な手法は「現物を買い(ロング)、先物を売る(ショート)」という組み合わせです。たとえば、1BTCを購入して同量のBTC先物を売ることで、価格が上がっても下がっても理論上の損益は打ち消し合います。

② BTCとETHの相関関係を利用

BTCとETHは価格の動きが似ている(相関が高い)ため、この2つを組み合わせた戦略も人気です。具体的には「BTC現物をロングし、ETH先物をショートする」といった形で、価格差(スプレッド)の変動を活用します。この差が縮まる・広がるタイミングを狙って収益を得ることができます。

利益が出る仕組み

① ファンディングレートの受け取り

永久先物(パーペチュアル)には、買い手と売り手のバランスを取るために「ファンディングレート(資金調達率)」が設定されています。市場が強気ならロングが支払い、弱気ならショートが支払う仕組みです。デルタニュートラルでは、ショート側で報酬を受け取ることで安定した収益が狙えます。

② ベーシス(価格差)裁定

現物価格と先物価格の差(ベーシス)を利用した裁定も可能です。たとえば、先物が現物より高く取引されている場合、現物を買い・先物を売っておけば、その差が縮まったタイミングで利益が確定します。

実践ステップ

① 取引所を選ぶ

現物と先物の両方を扱える取引所を選びましょう。代表的な取引所は以下の通りです。

  • Binance(バイナンス)
  • Bybit(バイビット)
  • OKX
  • Bitget

これらの取引所ではBTC/ETHの先物・現物がともに利用でき、ファンディングレート情報も公開されています。

② ポジションサイズの調整

デルタをゼロに保つためには、ロングとショートの数量を正確にバランスさせる必要があります。BTCとETHではボラティリティが異なるため、相関係数を考慮して調整します。たとえばBTCの値動きがETHの1.5倍なら、ETHショートを1.5倍に設定するなどが目安です。

③ 定期的なリバランス

相場が動くとポジションのバランスが崩れるため、週1回程度の見直し(リバランス)が必要です。また、ファンディングレートがマイナスに転じた場合はポジションを切り替える判断も重要です。

メリットとデメリット

メリット
  • 相場の上下どちらでも安定した運用が可能
  • ファンディング収入による定期的な利益
  • 暴落時にも損失が限定的
  • 長期運用や分散投資にも応用できる
デメリット
  • ファンディングレートがマイナスになるリスク
  • BTCとETHの相関が崩れると損失が出る
  • 手数料やスリッページの影響
  • レバレッジを誤用すると清算リスクが高まる

初心者が注意すべきポイント

① 小額からテスト運用を始める

いきなり大きな金額で始めると、誤差による損失が拡大します。まずは0.1BTCや1ETHなど少額で実験的に運用して感覚を掴みましょう。

② 自動化ツールを活用する

ポジション管理を効率化するには、取引所のAPIを利用した自動Botやツールが便利です。3CommasやPionexなどでは、デルタニュートラルBotが提供されています。

③ 相場環境とニュースを確認

BTCとETHの相関は完璧ではありません。たとえば、ETHのアップグレードやETF承認ニュースなど、個別要因によって乖離が生じることもあります。定期的に相場をチェックして、必要に応じてリバランスを行いましょう。

収益の目安

たとえば、以下のような条件で運用したとします。

  • BTC現物+1BTCロング
  • BTC先物−1BTCショート
  • 平均ファンディングレート:+10%/年

この場合、価格変動の影響を抑えつつ、年利10%程度の収益が狙えます。手数料や乖離損を考慮すると実質利回りは5〜8%前後ですが、ボラティリティに左右されにくい安定的な運用が可能です。

まとめ:BTC/ETHデルタニュートラル戦略は「守りながら稼ぐ」手法

BTC/ETHデルタニュートラル戦略は、相場の方向性を予測せずに収益を上げられる「守りの戦略」です。上昇相場で大きな利益は狙えませんが、安定した収入を得たい投資家には最適です。初心者は、まず少額・短期で実験し、戦略の仕組みを理解したうえで本格運用に移行するのがおすすめです。

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